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  「会計ソフト」は必要不可欠です
1. 商売やるなら「会計処理」をマスター!
2. 「手書き」の帳簿は大変な苦労
3. 「会計ソフト」を使えば、処理が大変ラク
4. ソフトなら試算表や決算書も自動生成
5. 会計ソフト導入でこんなにコスト節減
6. オススメの会計ソフトは コレ
7. 会計ソフトの価格を比較
8. クラウド型会計システムについて
9. 「簿記3級入門」を買って多少は勉強!
10. わからない時は「税務署」を活用!


  1.商売やるなら「会計処理」をマスターしましょう!  

 中小企業や個人事業を運営していく上で必要となるのが「毎日の取引を会計帳簿に記入(記帳)」することです。自分の事業(会社)がどれくらい儲けているのか、つまり「収入がいくらで、それにかかった経費が何円なのか」というのを把握するためには、やはり帳簿をつけないとわかりません。

 帳簿の記帳方法をマスターすれば、「毎月の原価管理の把握」や「収支見通しの策定」などを自分で出来る(経営者自らが作成できる)ようになるので、事業を今後成長&拡大させていく上でも大変役に立ちます。また「日常のお金の動き」がわかれば、商売で失敗するリスクも格段に下がります(無茶な投資や仕入などがいかにアブナイか、ということ等が自ず(おのず)と見えてきます)。


  2.「手書き」で帳簿をつけるのは大変な苦労です  

 昔は、帳簿記帳などは全て手書きで行なっていました。ただ、このような一連の経理処理を手書きでやると、ものすごく手間がかかります。

 手書きの場合、① まず「売掛帳」「買掛帳」「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」を作り、② それを「仕訳日記帳」に転記(取引仕訳を記載)し、③ それを更に「総勘定元帳」へ書き写すなどの作業をしないといけません。

 また、少しでも転記ミス(記載ミス)をすれば、金額が一致しなくなり、その原因究明や修正に多くの時間を費やすことになります。すなわち、これらの帳簿記載作業は膨大な手間を要するので、自分でやっていると日常業務の妨げにもなりかねません

 ちなみに、経理処理の分布割合は、パッケージ型の会計ソフトが約30%、クラウド型の会計システムが1~2%、Excel などの表計算ソフトが20~25%、手書きによる記帳が50%弱となっているそうです。 パソコンが普及している時代に、なんでこんなに「手書きの記帳」の割合が多いのか、とても不思議に思えるのですが、よくよく調べてみると、その中に「日常的に記帳していない個人の白色申告者」が結構な割合で含まれているようでした。なお、平成26年から 記帳は義務化されていますので、パソコン or 手書き の記帳が求められます。


  3.「会計ソフト」を使えば、処理が大変ラクです  

 前述のとおり、手書きでの記帳ミスは、日常業務の妨げにもなりますので、事業を開始するなら、開業当初から「会計ソフト」を導入することをおすすめします。といいますか、「会計ソフト」を導入すれば、ものすごく経理処理がラクになります。

 会計ソフトを使えば、「仕訳の直接入力」、「入出金伝票」、「売掛帳」など、どの方式で入力しても「会計取引を各帳簿へ漏れなく入力」してくれる(仕訳日記帳や総勘定元帳への直接入力も可能!)だけでなく、更にそれを自動で「仕訳日記帳」や「総勘定元帳」へ自動で転記してくれるので、「数字の転記ミス」や「書き漏らし」、「手書きでひとつひとつ書き写す手間」などを"完全に"省けます。

 なお、Excel などの表計算ソフトを利用する場合、何らかの手違いで計算データをいじってしまい、金額がくるってしまう可能性もあります。このため、Excel は、売上・経費の補助データや収支分析データなどにとどめておく方が無難です。ちなみに、私も「補助データ」として、Excel を大いに活用していますが、会計の記帳(会計帳簿)は 別個に会計ソフトを使用しています。


  4.会計ソフトは「試算表」「決算書」も自動生成。メリット大!  

 会計ソフトであれば、帳簿記帳のみならず、試算表や決算書(や青色申告書)も自動で作成してくれます。期中の収支や現預金の流れなどを、クリックひとつで即座に把握することができるほか、損益計算書や貸借対照表などを作成する際も、そのまま印刷すればOKです。

 また、日付を前後してバラバラに入力してしまった仕訳でも「伝票番号の再付番」をしてくれる(後日に入力した仕訳を日付順に並べ直してくれる&取引番号も日付順に再付番してくれる)など、データメンテナンスにおいても優れた機能を発揮してくれます(「弥生会計」や「会計王」には、この機能が付いています。詳細は6.で解説)。手書きでは、そうはいきません。逆日付のまま記録が残されます。

 更には、初心者でも仕訳処理が出来るように「簡単取引辞書」や「仕訳辞書」も付いているので(弥生会計のケース)、戸惑うことなく取引入力が出来ます。


  5.会計ソフトを使えば、こんなにコストが省けます  

 「私は経理なんてやったことないので不安」という方も多いでしょうが、自分で記帳できるようになれば、経理担当者を雇う必要が無くなりますし(社会保険料等を含む人件費30万円×12ヵ月=360万円がタダ!)、税理士だって不要になります(毎月の顧問料3万円×12ヵ月+法人税申告書作成10万円≒ 50万円弱 を払わなくて済みます)。すなわち、会計ソフトを使って自分で記帳すれば、年間で約400万円の経費節減につながります。

 なお、上記の説明は、事業規模が小規模で、税理士さんへの顧問料負担が重くのしかかる場合のケースになります。会社の規模が拡大してきたり、業務・経理が複雑化してきた場合は、(会計ソフトを使用しつつも)税理士さんに経理をみてもらった方が、確実&間違いのない経理処理が行えることと思います。税務調査等、いざという時の強い味方にもなってくれますね。


  6.オススメの会計ソフトは コレ です  

 私がお勧めする会計ソフトは、弥生㈱の 「弥生会計」 と ソリマチ㈱の 「会計王」 です。弥生会計、会計王ともに、前述したような複雑な会計処理を一気に片付けてくれるので、大変ラクです。「仕訳」、「入出金伝票」、「売掛帳」、「総勘定元帳」など、どの帳面(入力画面)からでも入力できるようになっており、他の帳面・帳票へも自動で転記してくれます。もちろん、試算表や決算書(青色申告書)も自動で作成してくれます。

 また、日付をバラバラに入力した仕訳でも「伝票番号の再付番」機能を用いて、後で修正することも可能です(データのメンテナンスもラク)。また、初心者でも仕訳処理が出来るように「簡単取引辞書」や「仕訳辞書」も付いているので、戸惑うことなく取引入力が出来ます。











 うっかり取引を記帳し忘れて、後になって追加で記帳したりすることは誰だってあります。そんな時に、伝票番号をひとつひとつ自分で修正するのは、とても大変ですし、更にミスして番号を付け間違える(ミスが更なるミスを引き起こす)ことだって無いとは限りません。伝票番号が前後にひっくり返っていたり、番号が抜けていたりすれば、税務調査でツッコまれる可能性もあるので、このような致命傷を防ぐためにも、「再付番」修正機能の付いている「弥生会計」や「会計王」をオススメします(最終的にはご自身でご判断ください)。

 ちなみに、両者とも価格が手頃(価格は次項に記載)で良質な会計ソフトだと思います。操作性も似ており、ライバル同士のソフト、という位置付けになっています。

 話は戻りますが、この会計ソフトがあれば、(極論を言えば)経理担当者は必要ありません。ちなみに、私の会社は、この会計ソフトのおかげで「経理担当者」も「顧問税理士」も雇っていません。申告書等で分からないことがあれば、その都度税務署で指導してもらっているので、不便は感じません(経理面に不安がある場合は、税理士にご相談ください)


  7.会計ソフト/システムの価格を比較  

 会計ソフト/システムの価格を見てみることにします。従来から販売されている「パッケージ型会計ソフト(インストール型会計ソフト)」と、インターネットに接続して利用する「クラウド型会計ソフト(システム)」に大別して解説いたします。


 パッケージ型会計ソフトで一番のシェアを誇る 「弥生会計」 の価格は、Amazonや楽天市場などで3~3.5万円程度で、 「会計王」 は2.5万円程度と比較的手頃な価格で出回っています。ちなみに、私は同じ会計ソフト(弥生会計)を8年使い続けましたので、使用料は、1年あたり3,000円ちょっとの負担で済んだ計算になります()。

 一方、「勘定奉行」 、 「PCA会計」 、 「JDL IBEX会計」 などは、様々な付加機能が付いているとは思いますが、高価格(8~15万円)となっています。結構な負担ですね。この金額を重荷に感じない程度の "高い収益力" が付いてきてから、乗り換えを検討する方が良さそうですね。


 最近話題のクラウド型会計ソフト「freee」は、初期費用は無料ですが、月額費用は法人1,980円、個人980円となっており、法人なら たった2年弱 で 弥生会計 や 会計王 の価格を超えてしまいます。安くないですね。また「MFクラウド会計」(旧マネーフォワード)は、個人は無料ですが、法人は月額1,800円です。

 無料のソフト「フリーウェイ経理 Lite」などもありますが、 "広告付き" だそうです。有料版に移行すると月額3,000円もかかるとのことですので、安い話にはウラがあるってところですね。

(個人事業主~法人化の両期間を含む。購入翌年の無料バージョンアップを含む。なお、新消費税に対応するため、このたび新バージョンに買い換え、使用を終了。)




  8.クラウド型会計ソフト/システムについて  

 最近話題となっているクラウド型会計システムについて、私なりに少し解説してみます。クラウド型会計ソフト(システム) は、他人に「自社の経理データを丸ごと預ける方式」です。以下に、メリット、デメリットを挙げてみました。


 メリットは、① ネットバンキングなどの取引情報を自動取得できること(パッケージ型よりも情報の取り込みが容易)、 ② (毎月の利用料を納めていれば)自動でバージョンアップしてくれること、 ③ 万一のパソコンの故障や盗難等によるデータの被害を防ぐことができること、 ④ 自社のパソコンにソフトをインストールしないため、インターネットが使用できる環境にあれば、いつでも会計データにアクセスできること などのメリットがあります。


 「自社のデータを丸ごと預ける」ので、 ① セキュリティ面に対する不安感があること、 ② (従来型ソフト→クラウド型ソフト/システムへのデータ移管はカンタンだが)諸事情で更に他社へ乗り換える場合にデータを移管できるのがどうか不明であること、 ③ 将来的な利用年数を勘案すると、価格が意外と安くないこと、 ④ クラウドサーバー側(提供会社側)の不具合(エラー)が出た場合や、インターネット接続自体にトラブルが起きた場合などに、データの入力・印刷などがストップしてしまうこと(身動きが取れなくなる) などのデメリットもあります。


 特に、セキュリティー面においては、(未利用者・非利用者から)根強い不安感を持たれているようです。私個人としても、かなり抵抗があります。 「セキュリティ万全」と公言しつつも、所詮人間のやることですから、完璧ということはないでしょうし、ベネッセの個人情報漏洩のような「担当者による意図的な漏えい」だって、無いとは限りません。また、データを預けっぱなしの状態で、その会計ソフト/システム会社の方が 自社よりも先に消滅することも無いとは限りません。つまり、「自分の目の届かないところ」で会社の経理情報がゴッソリと漏れる可能性は ゼロでない ということです。

 また、「お金が払えなくなったらどうなるの?」という素朴な疑問も浮かんできます。生活が苦しくても、料金は優先して払いなさいということですよね。あちらも商売ですから、役務の提供を受けたらお支払いするのが当たり前です。 個人的な話ですが、経営が大赤字だったころを思い浮かべますと、 「払わなくても済む方式の存在がありながら(従来型のパッケージ版ソフトの場合、毎年バージョンアップをしなくても十分に利用可能)、毎月支払い続けなくてはいけない」 というのは、ちょっとキツイなあという気がしなくもないです。

 ちなみに、パッケージ型のソフトの場合、現在販売されているもののほとんどが新消費税(10%)に対応していますので、消費税の変更に合わせてバージョンアップする(買い換える)必要は無さそうです(→同じソフトをバージョンアップせずに複数年使用可能)


 ただ、そうは申しつつも、最近は 従来タイプのパッケージ型会計ソフトの会社でも クラウド型の販売を開始(例: 2015年7月から クラウド型の「弥生会計オンライン」の販売を開始)するなど、外部にデータを保存する方式も広まりつつあるようですね。時代の潮流かもしれませんね。




 ちなみに、現時点では、クラウド型会計システムの利用者の中では、「freee」が約4割のシェアを占めているようです(・・・といっても、クラウド会計利用者が全体の1~2%ですから、全体からみれば、その4割の0.4~1.6%程度ということになります)。従来型ソフトで圧倒的なシェアを誇る「弥生会計」が2015年7月にクラウド型を本格的に販売開始しており、同社がどこまで食い込めるか、動向が注目されます。


  9.本屋で「簿記3級入門」等を買って 多少は勉強!  

 ただ、会計ソフトを操作するには多少の簿記知識は必要ですので、近所の本屋で「簿記3級入門」などの解説マニュアルを買ってきて習得しましょう。なんとなく理解できたら、あとは会計ソフトを操作しながら簿記を学んでいけばいいのです。ちなみに、実際に簿記の勉強に取り組んでみると、コンピューターのプログラム(CGIやPHP)をマスターするよりも遥かに簡単でした。


  10.わからない会計処理があったら「税務署」を活用しましょう!  

 繰り返しますが、なんとなく簿記の概念が理解できて会計ソフトを操作できるようになれば、年間約400万円のコストを抑えられます。「商売を始めて軌道に乗せたい、儲けたい」という強い信念があれば、ちょっぴり面倒な勉強も成し遂げることができる(乗り越えられる)というものです。ちなみに私も「簿記」を少々覚えて「会計ソフト」を駆使することで・・・、 今では自分で経理をこなし、税理士も雇わずに「自力で税務署に法人税申告書を提出」しています(個人事業時代も青色申告書を自分で作成し税務署へ提出していました)。

 ちょっと難解な会計取引(会計ソフトへの記帳)や申告書(法人税申告書や青色申告書などの税務処理)のことでどうしても分からなければ、お近くの税務署に行って教えてもらいましょう。税務署は「マルサの女」や「税務調査」など、やや怖いイメージがあるかもしれませんが、実際には親切ですし、問題点を絞って質問すれば丁寧に教えてくれます(電話による相談窓口もありますので便利)。いずれはあなたの会社(事業)も税金を払うのですから、大いに活用しましょう(指導してもらいましょう)。

 税務署に聞きづらい事柄などは、「OK Wave (教えてgoo)」や「Yahoo! 知恵袋」などで質問してみるのもひとつの方法です。ただし、他人の回答は「いい加減」だったり「出鱈目(でたらめ)」だったりすることも多いので、ネットで教えてもらった会計処理方法が本当に正しいのかどうか、最後は税務署で再確認しておく必要があります。

 なお、個人事業主の「青色申告書」くらいでしたら、税理士に依頼するほどの難しさはないため、会計ソフトを利用しつつ、税務署や市役所主催の税務相談なども徹底的に活用すれば、なんとか完成できると思います。

 ただ、やはり経理処理に不安がある場合や、知識不足で限界を感じている場合には、税理士に相談・依頼されることをおすすめします。税理士への依頼は、決算書(法人税申告書)の作成(部分的な依頼)のみでも可能ですので、自信のない場合は検討をしてみるのもいいですね。