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決算対策で節税 - 短期前払費用 (2)



決算対策で節税 - 短期前払費用 (2)

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決算対策で節税 - 短期前払費用 (2)
5. 「法基通2-2-14」の内容について
6. 仕訳は 通常の経費計上と同じ
7. 短期前払費用は "販管費" だけなのか?
決算対策で節税 - 短期前払費用 (1) / (2)



以上、短期前払費用の適用要件などを解説いたしましたが、本項では、その根拠となっている「法人税基本通達2-2-14」の内容ついてご紹介いたします。同通達では、短期前払費用について、次のように規定しています(一部、平易な文章に変えました)



 「前払費用の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った金額を継続してその事業年度の損金の額に算入しているときは、その支払った時点で損金に算入することを認める。」 としています。

 また、注釈として、 「例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。」 とも付記されています。



 短期前払費用は、その支払った全額を経費に計上(損金に算入)できるということですから、仕訳は「通常の経費」の仕訳と全く同じ扱いになります。

 例えば、1年契約の保険料を支払った場合は、以下のような費用計上の仕訳を行うだけです。短期前払費用という勘定科目があるわけでもないですし、いたってシンプルですね。

 (借 方)  (貸 方)
保険料 30,000 普通預金 30,000




 一般的に、「販売費及び一般管理費」に含まれる費用のうち、短期前払費用の要件を満たすものについては該当する、ということで世間的に意見が一致しています。

 しかし、売上原価(製造原価)に含まれる賃料などの費用が該当するかどうかについては、一部意見が分かれています。インターネットで色々調べてみると、専門家(税理士等)によっては、「製造原価に含まれる工場の家賃については、たとえ要件を満たしていても短期前払費用とするのはダメ」という方もいますし、OKという方もいます。

 そこで、更に詳しく調べたところ、国税庁の「税大論叢 48号」内の「法人税法の損金経理要件について」:「第5節 短期前払費用の損金経理要件」の134ページ(PDFの23ページ目)に、次のように書かれているのを見つけました。一部抜粋してご紹介します。

 「 この点について、教授も『短期の前払費用である限り、それが特に営業上重要な費用であるかないかで区別されることにはなっていない。』 と述べており、さらに 『本通達の適用される短期の前払費用は、必ずしも販売費・一般管理費等として期間費用処理されるものに限られない。その費用が製品の製造に直接関連するものであるため、製造原価に算入されるものである場合にも、本通達の適用があるものと解してよい。』 とも述べている」 と書かれています。



 つまり、製造原価中の「短期前払費用」の要件を満たす経費についても、同様に処理してよいということになります。国税庁の論叢(論集)に書かれていることですから、問題はなさそうですね(最終的なご判断は、税務署、税理士等の専門家ととご相談の上でなさってください)。もちろん、製造原価といっても、収益と対応させる必要があるような製造原価中の変動費(材料費、外注費等)などは、短期前払費用に該当しませんので、ご注意ください(材料費の前払い分<手付金>⇒前渡金、材料の未使用分⇒「原材料」などの棚卸資産、外注費の前払い分<手付金>⇒前渡金 etc. )

 ・・・ただし、本項冒頭の税理士のような考え方(製造原価中の家賃はダメ、という意見)の人がいるということは、税務調査等を担当する現場の税務署職員も同じような考え方の人がいる可能性も十分に考えられます。また、工場の(家賃ではなく)機械設備の賃料等については、稼働率に伴う老朽化・陳腐化などの問題もあり、短期前払費用での処理は不適切であるとの見方もあります。製造原価における費用項目について、「短期前払費用」の適用が可能かどうかが気になる場合(明確化したい場合)は、個別に税務署へ問い合わせて 会社と税務署の見解を一致させておくといいですね。

参考リンク: 国税庁 「税大論叢 48号 - 法人税法の損金経理要件について
   ⇒ 「第5節 短期前払費用の損金経理要件」(PDFの23ページ目)

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