福利厚生費で節税 – 制服の支給

節税対策&ヒント

開業時は、経費負担を考慮して慎重に

制服(事務服や作業服)は、会社の運営を円滑に進め、同時に従業員の福利厚生に役立てるためのものであり、業務内容に応じて必要となるものではありますが、人数分を揃えるとなると結構な金額になります。このため、開業当初から制服を導入するかどうかは、慎重に考えたいところです。

実際に導入する際も、経費を圧迫しないように「会社の収益に見合った制服」を購入することを常に心がけておきたいですね。全国チェーンの「ワークマン」など、低価格で購入できるお店などをうまく活用しつつ、検討したいですね。

名入れ加工は、そんなに高くない

「社名の刺繍」などの名入れ加工は、安い業者なら 1着 数百円(500円以内)でやってくれます。ロゴマークを入れたり、上腕部にも社名を入れたりすれば、それだけ高くなりますが、胸元の刺繍やプリント印刷だけなら、低価格で対応してくれる業者も結構あります。どうせ作業服を作るのであれば、税務対策も考慮し、名入れはケチらずに実施しておくといいですね。

また、名入れする「文字数」も価格に影響する場合がありますので、例えば「株式会社」を「(株)」にしたり、(株)そのもの を省いたりする等の工夫もしてみるのも ひとつの方法です。ちょっとしたことですが、節約になるなら是非実施したいですね。

スーツは経費になりません、が…

ビジネススーツ(背広)は、通勤でも使用しますし、私服との区別もつかないことから、現物給与とみなされます(福利厚生費=経費として認められません)。「プライベートではスーツ(背広)を着ません!」という抗弁(言い訳)は通用しませんので、ご注意ください。

まかり間違っても、社員にスーツを制服代わりに支給して、経費で落とすようなことはやめましょう。ましてや、「社長がスーツを購入して、それを福利厚生費で・・・」というのは論外です(笑)。絶対にやめましょう。

ただし、①「会社の店内等、勤務場所で着用」、②「社員全員に支給」、 ③「社名・ロゴ入りで、明らかに当社社員であると判別出来るようなスーツやジャケット」であれば、制服・作業服と同じ扱いになり得ます。

「ホテルマンや高級フランス料理店の店員などが着用するスーツ」を思い浮かべていただくと、分かりやすいかもしれません。全員、同じ形状&ロゴ入りのスーツをビシッと着用していますね。いやー、かっこいいですよね。あのようなイメージのものでしたらOKです。

ただ、これらのスーツは、同時に「制服」の印象を与えるものでもありますよね。このため、福利厚生費の処理でOK、ということになります。

一方、「制服のスーツ」を用意する必要性があまりないような会社が「非課税となる制服等」の要件を満たしてスーツを取り揃えようとする行為は、大変な費用負担になるだけです。節税対策どころか、「無駄な出費」ということになってしまいますね。

スーツ着用が原則の会社であるなら、(当たり前ですが)従業員の方々に自前のスーツを用意してもらうか、あるいは従業員自身でスーツを用意できないような事情がある場合は、最初から正々堂々と「現物給与として支給」するかのどちらかにしておくようにしましょう。