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福利厚生費で節税 - 慶弔見舞金 (3)



福利厚生費で節税 - 慶弔見舞金 (3)

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福利厚生費で節税 - 慶弔見舞金 (3)
7. 会社加入の保険金から支給する際の注意点
8. 災害見舞金品の取り扱い
9. 社外への慶弔見舞金は「交際費」で処理
福利厚生費で節税 - 慶弔見舞金 (1) / (2) / (3)



 「従業員の傷病時に備えるべく会社が保険に加入している場合」に注意すべき点があります。例えば、従業員が病気等で入院し、保険会社から 10万円 の保険金を受け取ったとします。その一方で、社内の「慶弔見舞金規程」で傷病手当金を 3万円 に設定していた場合、規程通りに3万円を支給するのなら問題ないのですが、従業員の見舞金として「保険金全額の10万円」を従業員に支給すると、差額の7万円(規程の額を超過した金額の支給)は 傷病手当金(経費)として税務上認められず、「従業員賞与の支給」とみなされる可能性があります。



 すなわち、税務上においては、保険金の受取額(10万円)は 単なる益金の計上 (雑収入・雑所得)であり、福利厚生費として損金計上する傷病手当金(見舞金 3万円)とは「別の取引行為」であるとされているということです。保険金を受け取ったからといって、その全額を従業員に支給するのではなく、 「見舞金は 慶弔見舞金規程 にしたがって支給してくださいね」 ということです。両者は「ひも付きの関係」にはなっていませんので、経理処理を行う際はご注意ください。



 2011年の東日本大震災の被災で、国税庁に「災害見舞金品」に関する問い合わせが数多くあり、同庁でもページを割いて基準・区分などについて解説しています。以下に、その内容をまとめてみました。

 震災や火災等により、役員&従業員の家屋や家財が損壊した場合、社内規程で「一定の基準」を設けていることを条件に、災害見舞金品を支給することができます。災害見舞金品が福利厚生費として取り扱われるための「一定の基準」は、以下の通りです。

被災した全従業員に対して被災した程度に応じて支給される等、各被災者に対する支給が合理的な基準によっていること
支給する金額が、受給者の社会的地位等に照らし被災に対する見舞金として、社会通念上相当であること


 ①は、役職などにかかわらず、被災の度合いに応じて一定の金額を支給するというものです。例えば、家屋全壊で10万円、半壊で5万円など。②は、「社会通念上相当」とありますので、いわゆる高すぎない金額、平均的な金額であることが求められます。

 この「一定の基準」は、あらかじめ社内の慶弔規程等に定めていたものに加え、東日本大震災の災害をきっかけに新たに定めた規程でもこれに該当します。

[ 私の個人的見解 ]
 東日本大震災が起きたとき、災害見舞金について規程で「被害の程度に応じて見舞金を支給」と記載しているだけで、具体的な金額を決めていなかった企業が多かったようです。このような事態に至った場合、その時点で社内の委員会を設けて金額を決定し支給する、というのも一つの方策です。その金額が「社会通念上相当」であると認められる金額であれば、課税されないこととなっています。

参考リンク: 国税庁 「災害に関する主な税務上の取扱いについて
国税庁 「従業員等に支給する災害見舞金品


 社外の得意先に出す慶弔見舞金品の費用は、慰安、贈答のために要する費用に当たることから、「交際費」の科目で仕訳処理します(措通61の4(1)-15(3))。福利厚生費は、原則として社員の福利厚生を図るための費用科目ですので、社外の人には使用できない科目です。得意先に出す場合、相手の社名、住所、氏名、役職、日付、金額など、自社との取引関係が明確に分かるように記録を残しておくようにしましょう。

 なお、経営者と個人的な付き合いがある人で、業務上の取引関係がほとんど無い人に出す慶弔見舞金は、交際費にも該当せず、そもそも経費として認められません(損金否認)ので、ご注意ください。

 余談ですが、災害による被害を受けた人々を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用は、「寄附金」や「交際費」に該当せず、「広告宣伝費」に準ずるものとして取り扱われます(法基通9-4-6の4)。その人々の中に得意先の従業員が数人いたとしても、同様の扱いとなります。



参考リンク: 国税庁 「取引先に対する災害見舞金等
国税庁 「従業員等に支給する災害見舞金品

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