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福利厚生費で節税 - 通勤手当 (2)



福利厚生費で節税 - 通勤手当 (2)

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福利厚生費で節税 - 通勤手当 (2)
4. 徒歩通勤の場合、どうなるか?
5. 手当は「社保・標準報酬月額」の対象
6. 通勤手当の仕訳処理
7. 旅費交通費で処理するのは不適切
通勤手当 (1) / (2)



 徒歩通勤の場合は、非課税限度額は0円です。つまり、福利厚生費として1円も費用計上できません。「2.マイカー・自転車... 」の項で、2キロメートル以上は 4,200円 となっていますが、これはあくまで自転車等(交通用具)を使用した場合の話であり、徒歩通勤の場合は、費用計上は認められていません。徒歩通勤なら、交通機関・交通用具利用などの実費負担がないわけですから、通勤手当を支給する根拠とはなりませんね。もし徒歩通勤の人に通勤手当を支給すれば、給与とみなされ、所得税の課税対象になります(全額課税)。





 ここで、ちょっとややこしくなるのですが、前述のとおり、通勤手当の支給分については所得税が非課税となりますが、社会保険料の標準報酬月額の対象となる報酬に含まれますので、ご注意ください。事業所の給与規定に定めのある通勤手当は、「労務の対償として受けるものである」とされているからです(詳細については、以下のリンクをご参照ください)

 例えば、電車通勤の手当が6万円かかっているとすると、所得税は6万円の定期券代に対して所得税はかからないのですが(電車の定期券代は10万円まで非課税)、社会保険料は「その6万円を足した額」を基にして算出し、差し引かれることになります。つまり、社会保険料の金額が増えるため、給料の手取り額が目減りします。

参考リンク: 日本年金機構 「標準報酬月額の対象に通勤手当は含まれるか


 通勤費(通勤手当)は、所得税法上の非課税所得として取り扱われる(つまり、従業員の福利厚生目的の給与所得であるため、非課税となっている)ため、その特徴を考慮すれば、「福利厚生費」の科目を使うのが一般的・原則であるといえます。また、課税対象の給与所得と区別するためにも、福利厚生費で処理した方が良いでしょう。

【 通勤費の仕訳処理 (給与支給と一緒に行っている場合) 】

 (借 方)  (貸 方)
給料 (4月給料) 300,000 普通預金 or 現金 248,240
福利厚生費 4,200 預り金 6,960
  預り金 5,000
  預り金 44,000



 1人分の給料の計算方法を確認してみましょう(10km未満のマイカー通勤で4,200の通勤費支給の場合)

 まず、 ①天引き前の額面の給料 300,000円 から社会保険料(304,200円に対する社会保険料:便宜上 44,000円 とします)を差し引き、 ②次に差し引いた金額(304,200円-44,000円=260,200円)に対する源泉所得税を 国税庁の「源泉徴収税額表」を使って金額を確定し控除(6,960円)、 ③同時に市県民税(便宜上 5,000円 とします)を差し引き、 ④最後に通勤手当 4,200円 を実際の支給額に加えれば、 残額が手取り給料 248,240円 となります。

 つまり、まず最初に 上記仕訳の左側(借方)の金額を決定し、次に右側(貸方)で 差し引くべき税金や保険料 を決定し、最後に余った金額(248,240円)を実際の支給額として決定します。借方・貸方の各合計金額が一致(304,200円)すればOKです(なお、上記仕訳では 「未払給与分の仕訳」 の記載を省略しています。あらかじめご了承ください)。



 なお、一部の会社では「旅費交通費」の科目で処理しているところもあるようでが、旅費交通費は「役員や従業員が業務を行うため、勤務先以外の場所へ移動するのに要した費用」のことをいいます。つまり、「出張などで要した交通費」を処理する科目であるため、適切な処理ではありません。社内の経理上、どうしても他の福利厚生費と混同させたくないのであれば、新たに「通勤費(通勤手当)」勘定を設けて社内処理すると良いでしょう。ただし、決算書作成の段階では、他の福利厚生費と合算して表示するのが妥当です。


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