昼食代等の食事補助
社員への福利厚生の一環として食事代を補助する場合、食事代の半分以上(50%以上)を従業員等が負担し、会社が負担した食事代が月3500円以下である場合は、福利厚生費として計上できます(所得税基本通達36-38-2)。
【 食事補助が福利厚生費となるには? 】
① | 食事代の半分以上(50%以上)を従業員が負担していること |
② | 会社が負担した食事代が月 3500円 以下であること |
つまり、1カ月 22日勤務 だとすると、1日(昼食1食)あたり 159円 (3,500÷22日≒159円) が会社が補助できる上限金額となり、1食最低 318円 (159円÷50%≒318円) 以上の食事材料費・仕出し弁当等 であることが最低条件となります。
ただし、この金額(318円)はギリギリの最低ラインですので、実際の食事代金は もう少し余裕をみた金額に設定しておく必要があります。
なお、ここでいう「食事代」とは、社員食堂などで会社が調理して支給する食事の材料費や、会社が購入して支給する食事(仕出し弁当等)の購入金額をいい(所得税基本通達36-38)、現金で支出した場合は給与手当とみなされます。
[ 参考リンク ]
- 国税庁「食事を支給したとき」
- 国税庁「給与等とされる経済的利益の評価 (所得税基本通達36-38、36-38の2) 」
残業者、宿直・日直者への食事代
残業や宿直・日直をした従業員に食事(夕食、夜食 等)を支給する場合、現物支給に限り、支給した食事は原則として全額を福利厚生費に計上できます(所得税基本通達36-24)。
残業や宿日直への食事代(夕食代・夜食代)については、飲食店などへ行って食事をする場合や、会社がコンビニ弁当を購入して支給する場合でも認められます。
ただし、前述のとおり『現物支給』でないと認められないことになっています。このため、従業員が外食や弁当購入で食事代を立て替えた場合は、速やかに会社へその領収証を渡し、精算することが求められます。
現金支給の場合(領収証を会社で保管しない場合)は、給与として扱われ、従業員給料の所得税の課税対象となりますので、ご注意ください。
なお、その時間の勤務が従業員にとって「本来の業務時間」である場合(残業等ではなく、定時の通常業務である場合)は、夕食・夜食代の食事補助は認められません(前項の「昼食代等の食事補助」と同じ扱いになります)。
また、社会通念に照らして、「高すぎる」食事代は、福利厚生費としてみなされるない能性があります。一般的には、1,000円~1,500円程度であれば問題ないと言われています。
[ 参考リンク ]
- 国税庁「給与等に係る経済的利益 (所得税基本通達36-24) 」
深夜勤務者に支給する夜食について
夜食については、基本的に前出の「昼食代等の食事補助」と同じ扱いになりますが、会社に社員食堂などの調理施設を備えていない場合等、夜食の現物支給が困難な場合は、「1回300円までの定額」を夜食代として現金支給(給与加算)しても福利厚生費として扱えます(個別通達:直法6-5、直所3-8)。
なお、深夜勤務者とは、正規の勤務時間による勤務の一部又は全部を午後10時から翌日午前5時までの間に行う人をいいます。
[ 参考リンク ]
食事補助券を利用する
「ウチの会社は規模が小さいし、出張も多い(会社近辺で昼食をとれない)から、仕出し弁当を取ることもできない!」という会社も多いかと思います。このような場合、食事補助券(食事券)を利用してみるのも ひとつの方法です。
食事補助券(食事券)を 「所得税非課税」 かつ 「福利厚生費に計上できる」 ようにするためには、①食事に限定しているものであること、②管理・証明ができること、の2点をクリアする必要があります。
このため、クオカードなどのプリペイドカード等による食事補助は、①’ 食事に限定していないこと、②’ 従業員が昼食に利用したかどうかの追跡が困難で、またチケットショップ等での換金も容易であること、といった理由から、税務調査で指摘を受け、否認(給与として所得税を課税)される可能性が非常に高くなります。
これらの条件を解決した食事補助券として、㈱エデンレッドジャパン (旧社名:㈱バークレーヴァウチャーズ) の「チケットレストラン」があります。
「チケットレストラン」は、税務上の問題を明確にクリアした食事券で、正しい使い方をするのであれば、何の問題もなく福利厚生費として費用計上できます(私事ですが、以前の勤務先でも チケットレストラン を利用していました)。
1人当たりの具体的な支給例(一例)は、会社負担分3,500円+同左消費税280円+従業員負担分3,820円=月額7,600円 という形になります(所得税法上 非課税で支給限度額まで支給する場合)。 加盟している飲食店は、全国5万店以上です。
また、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどのコンビニでも食事券として利用できます(加盟店検索)。ただし、エデンレッドジャパン に支払う手数料として、業務委託費(食事券額面の5%+消費税)とチケット送料(507円)の料金が別途必要になります 。[注]
【『チケットレストラン』の概要 】[注]
項 目 | 内 容 |
1人分の 購入例 |
会社負担分3,500円+同左消費税280円+従業員負担分3,820円=月額7,600円 (会社3,750円+従業員3,750円=7,500円 のセット等、組み合わせの変更は可) |
購入人数 | 1人分から購入可 |
購入月数 | 1カ月ごとでも、まとめて1年分を購入してもOK (まとめて購入すれば、送料は1回分の送料 507円 のみで済みます) |
手数料 | 購入金額に対し、手数料5%(+消費税8%)、1事業所への送料 507円 |
利用店舗 | 全国5万店以上の飲食店・コンビニなど コンビニは、セブンイレブン、ローソン、ナチュラルローソン、ファミリーマート スーパーは、京王ストア、キッチンコート (チェーン展開の飲食店は大半が加盟。希望の飲食店があれば、リクエストも可) |
購入対象 | 飲食物のみ (アルコール・タバコ不可。その他の物品購入も不可) |
有効期限 | 発行日の 翌年末 (翌年の12月31日) まで有効 |
券種 | 200円券、300円券 (おつりは出ません) |
譲渡 | 第三者への譲渡・売買(換金)は不可 (本人のみ利用可) |
注文時期 | 発注後、6営業日以内に受け取り可。 |
[注] 本内容は2015年調査時のものです。システム内容や金額が変更されている可能性がありますので、詳細はエデンレッドジャパンに直接お尋ねください。
- 例えば、チケットレストラン 2人分(1カ月分)を購入する場合、
7,600円×2人+購入額に対する手数料 5%(+手数料の消費税分)=16,020円
16,020円 + 送料507円 = 16,527円 - となります。
1人分当たりの手数料(+消費税)は 410円、 2人分なら 820円 になります。あとは、送料 507円 です。手数料が高いか安いかについては、費用対効果を考慮して検討してみると良いですね。
[ 参考リンク ]