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個人事業主の住民税 (市民税、市県民税)



個人事業主の住民税 (市民税、市県民税)

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1. 住民税とは
2. 申告書は提出不要、年4回の分納
3. 住民税は「均等割」と「所得割」がある
4. 個人住民税の計算例
5. 所得税の計算と少し異なる



 本項は、個人事業主向けの解説ページですので、「個人住民税」についてお話しします(法人住民税については割愛します)


 (個人)住民税とは、「市区町村民税」と「都道府県民税」の総称です(合計したものをいいます)。市区町村 や 都道府県 の 行政サービス を行うために、負担能力のある個人(や法人)から徴収されているものです。お住まいの各市区町村が窓口となって、「市民税と県民税を合算」して徴収されます。

 住民税は、特に決められていない「一般税」という扱いになっていて、教育、福祉、防災、ゴミ処理、警察、消防、公共施設の整備(インフラ整備)など、様々な用途・目的で使用されています。




 ところで、市区町村から発行される納税通知書 や 市のホームページ には、「市県民税」や「個人市民税・県民税」と書かれていたり、「個人住民税」と表記されていたりします。また、市区町村が一括して徴収するので、"県民" の呼称を省略して、単に「市民税」「町民税」「個人市民税」などとも呼ばれています。

 自治体によって、いろんな呼び方がされていますが、内容的にはどれも「個人住民税」であることに変わりありません。



 住民税は、税務署で確定申告の書類を提出していれば、市町村への申告は不要です。税務署の提出した計算書類を元に 市区町村が 課税の計算 をしてくれますので、わざわざ市区町村に確定申告などを行う必要はありません(所得税の申告をしていない場合などの異例のケースを除く)

 毎年5月ごろに、お住まいの市区町村から 納税通知書納付書 が送られてきます。個人事業主の場合は、6月に一括納付するか、年4回に分割して納付(分納)します。分納の場合の納付期限は、ほとんどの自治体が 6月、8月、10月、1月 となっています。



 余談ですが、サラリーマンの場合は、勤務先の会社がとりまとめ、毎月の給料から天引きして市町村に(代理で)納付しています。これを「特別徴収」といいます。一方、個人事業主のように、直接市町村から 納付書 をもらって納付するのを「普通徴収」といいます。記載されている住民税を窓口や口座振替で納付するだけですので、普通徴収だからといって特に面倒になるということはありません。

 ちなみに、以前は「前納報奨金制度」といって、「全期分をまとめて一括納付した場合などに一定額を割り引く制度」がありましたが、現在では ほとんどの自治体が廃止しています(お住まいの市町村に要確認)。こういう割引制度が無くなった今日において、「分割 or 一括」のどちらかを選ぶかについては、純粋に「事業の資金繰り」を考慮して決めるといいですね。



 個人住民税は、「均等割」と「所得割」の2つの税金で構成されています。均等割は、税金を負担する能力のある人が "均等の額" を負担するもので、所得割は、その人が "所得金額に応じて" 負担するものです。本項では、個人住民税の均等割と所得割の計算方法についてお話しします。




 均等割は、既述のとおり、税負担の能力のある人(免除にならない人)が、収入に関係なく一律に課税されるものです。この均等割の額は、各市区町村によって若干異なっていますが、おおむね 5,000 円 程度の均等割額(3,500+1,500=5,000円。年額)となっている自治体が多いようです。

  1. 市民税額(市区町村民税額) … 3,500円 程度
  2. 県民税額(都道府県民税額) … 1,500円 程度
 以前は、市民税 3,000円、県民税 1,000円でしたが、平成26年から35年まで、東日本の復興財源(臨時特例法)として 各 500円 ずつが加算されることになり、市:3,500円、県:1,500円となっています。

 また、自治体によっては、市や県の運営方針に合わせて創設した目的税を加算し、均等割の額が若干高くなっている場合があります(神戸市:3,500+500=3,900円1,500円富士宮市3,500円 & 1,500+400=1,900円 など)。


 所得割は、前年の所得金額に応じた税額の負担を求めるもので、一律10%(市民税6%、県民税4%)の比例税率となっています。

 また、平成30年度の課税より、政令指定都市に住所がある場合は、市民税(市町村民税)8%県民税(道府県民税)2% に変更されました(政令指定都市 … 6:4 ⇒ 8:2 に変更されました。政令指定都市以外の市町村に住んでいる場合は、従前どおり、市民税(市村民税)6%県民税(道府県民税)4% となっています。


都市名 市区町村民税 都道府県民税 合計
札幌市
(北海道)
8% 2% 10%
山形市
(宮城県)
6% 4% 10%
東京都
特別区
6% 4% 10%
名古屋市
(愛知県)
7.7% 2% 9.2%
大阪市
(大阪府)
8% 2% 10%
松江市
(島根県)
6% 4% 10%
福岡市
(福岡県)
8% 2% 10%
那覇市
(沖縄県)
6% 4& 10%

 ちなみに、「名古屋市」は、"減税" を標榜する "河村たかし市長" の号令のもと、市民税率が若干低くなっています(8% ⇒ 7.7%)。仮に 減税額が 毎年 8,000円 くらいだとしたら、5年続けば 4万円 にもなります。銀行の "預金利息並み" にオトクですね。いつまで続くかわかりませんが、ちょっぴりうらやましいです 💰




 実際の計算方法(一般例)を以下にご紹介します。なお、「人的控除額(基礎控除額、配偶者控除額、扶養控除額等の控除額)の差の合計額」「市民税・県民税調整控除額」など、「細かい比較&計算項目」が設定されていますが、本項では "おおまかに理解してもらう" ことを目的としていますので、これらを省略してご説明しています。



  1. 収入、支出、控除の条件 を洗い出す
    年間収入 500万円、必要経費 50万円、所得控除額 73万円(基礎控除33万円、配偶者控除33万円、生命保険料などその他控除 7万円)の場合

  2. 課税所得金額を算出しておく
    年間収入 500万-必要経費 50万-所得控除額 73万= 課税所得金額 3,770,000円

  3. 所得割の計算をする
    市民税: 課税所得金額 3,770,000×6%= 226,200円
    県民税: 課税所得金額 3,770,000×4%= 150,800円
    (小計 377,000円)

  4. 均等割の金額を確認
    市民税 3,500円+県民税 1,500円= 5,000円

  5. 合算する
    よって、所得割 377,000円+均等割 5,000円= 382,000円



 税務署に納める「所得税」と、地方自治体に納める「住民税(所得割)」とでは、所得控除額の金額控除対象 が多少異なっています(例:基礎控除金額 … 所得税=38万円、住民税=33万円 など)。このため、課税所得金額が所得税とは多少異なる金額になってきますので、ご注意ください。

 また、上記計算例(均等割)の「年間収入500万円、必要経費50万円(の差額)」は、個人事業主の「事業所得」を想定して記載しています。



 ちなみに、サラリーマンの給与の場合は、年間の給与収入を基に「給与所得金額」という値を算出し(年間給与収入の60%~80%程度の額)、その所得金額から各種控除を差し引いたものが「課税所得金額」になります。その課税所得金額に10%(6%+4%など)の税率を乗じて計算されます。