個人事業主が納める税金の種類

個人事業の開業

個人事業主が支払う税金の種類

個人事業主として支払わなければならない主な税金は、所得税(税務署に納付する)、個人住民税(市県民税)、個人事業税(都道府県税事務所に納付する)、消費税、固定資産税、償却資産税 などがあります。

税金の種類を「国の税金」「地方の税金」という くくり で分類すると、国に納める税金(国税)は『 所得税 と 消費税 』で、地方税は『 個人住民税、個人事業税、固定資産税、償却資産税、地方消費税 』と分けることができます。

これらの税金のうち、個人事業主に必ず課税されるのが、国税(税務署へ納付)の『 所得税 』(及び 復興特別所得税)と、地方税 (市区町村へ納付)の『 個人住民税 』の 2つ です。

個人事業税は、事業所得290万円超の人のみが課税対象で、消費税は 課税売上高1,000万円超の人が対象、固定資産税や償却資産税も 該当する資産を有している人のみが対象 となっています。

とりあえず、「(国税の)所得税 と(地方税の)住民税 の “2つの税金” が柱になっていること」、そして「その他の税金は 該当者のみ が納めるものであること」を理解しておけば、アタマのなかはスッキリすると思います。

  1. 国税 [ 税務署に納付 ]
    ├所得税・復興特別所得税
    └消費税 (売上 1,000万円 以下は免除)
  2. 地方税 [ 自治体に納付 ]
    ├ 個人住民税 (市区町村に納付)
    ├ 個人事業税 (都道府県に納付。所得290万円以下は免除)
    ├ 地方消費税 (※1) (売上 1,000万円 以下は免除)
    ├ 固定資産税 (該当資産 保有者のみ。市区町村に納付)
    └ 償却資産税 (該当資産 保有者のみ。市区町村に納付)

課税対象者や納付の時期等については、下表のとおりです。

【 個人事業主が支払う税金の概要 】

種類 課税対象 申告の有無 納付先、納付回数、時期
所得税 全員 必要 (期限:3月15日) [税務署]
3月15日 (確定申告の期限)
注:前年の納税額が15万以上の場合は、7, 11月の分割納付 (予定納税) が必要
個人
住民税
全員 不要 [市区町村]
6月に一括納付 又は 年4回の分割納付 (6, 8, 10, 1月)
個人
事業税
事業所得290万円超が対象 不要 [都道府県]
年2回の分割納付 (8, 11月)
消費税、地方消費税 前々年の課税売上高 1,000万円超 又は 前年上半期の課税売上高が1,000万円超 必要 (期限:3月31日)
(所得税の申告と一緒に提出するのが一般的)
[税務署]
3月31日 (口座振替の場合は4月指定日)
固定資産税 耐用年数1年以上かつ取得価額が10万円以上の資産を有する場合 不要 [市区町村]
年4回の分割納付
償却資産税 償却資産の評価額が150万円以上の場合 必要 (期限:1月31日) [市区町村]
年4回の分割納付

所得税

所得税とは、「収入から必要経費を差し引いた所得に対して、所得に応じた税率を掛けるなどして算出される税金」のことをいいます。税務署に納付する、いわゆる「国税」になります。

ビジネスで儲けて得た “事業所得” などを明確にする(いくら儲かったかをハッキリさせる)ために「所得税の計算」を行い(課税所得を算出)、それを「確定申告書」に記載して、税務署に申告します。そして、それに見合った税額を納付する、ということですね。

また、個人住民税や個人事業税(いずれも地方税)も、税務署(国税)に提出した計算書類のデータを元に課税金額を決定します。つまり、所得税の計算は、いわば「いろんな税金に影響を及ぼす大事な計算」であるといえますね。

所得税は、「課税所得金額」に収入に応じた税率をかけたものが、所得税として納める金額になります。課税所得金額は、「課税所得金額=収入-必要経費-各種控除」 の式で計算できます(所得税の詳しい説明はこちら)。

また、平成25年から平成49年(新元号の18年、西暦2037年)までの各年分の確定申告では、従来からの「所得税」に加えて、「復興特別所得税」(基準所得税額の2.1%)をプラスして申告・納付します。

具体的な計算方法など、詳しい内容につきましては、 「(個人事業主の)所得税を解説!」のページにて詳しく記載しました。ご参照いただければ幸いです。

個人住民税

個人住民税は、市区町村に納める税金で、「市区町村民税」と「都道府県民税」の総称をいいます。呼称は、「市県民税」、「市民税」、「個人住民税」など、各自治体によってマチマチですが、基本的に同じモノになります。

所得税の確定申告書を税務署に提出すると、その申告内容に応じて個人住民税の金額が決定され、納付書が送付されてきます。市町村等に申告書等をわざわざ提出する必要はありません

個人住民税は、「均等割」と「所得割」の2つの税金で構成されています。均等割は、税金を負担する能力のある人が “均等の額” を負担するもので、一律 4,000円~5,000円 程度 が課税されます。所得割は、その人が “所得金額に応じて” 負担するもので、所得金額に対して 10% が課税されます。

個人住民税の対象者や計算方法など、詳しい内容につきましては、 「個人事業主の住民税(市民税、市県民税)」のページにて詳しく記載しました。

個人事業税

個人事業税とは、事業の所得に応じて課税される地方税で、事務所や事業所所在の各都道府県に納める税金です。個人事業税を納める対象者は、各都道府県内に事務所又は事業所を設け、課税対象の事業(ほとんどの業種)を行っている個人です。

個人事業税では「事業主控除」として一律290万円控除されます。このため、年間の事業所得が290万円以下の場合は、個人事業税を課税されません

この税金も個人住民税と同様に、税務署に「確定申告書」を提出していれば、そのデータを使用して税額が計算されますので、わざわざ申告書の提出等をする必要はありません。個人事業税の納付が必要な方にのみ(該当する事業者にのみ)、都道府県から「納税通知書」が送られてきます。

「消費税課税事業者届出書」の提出について

個人事業主の場合、課税売上 1,000万円 以下なら、消費税の申告は免除されます(税込のまま会計処理を行うことが出来ます)。税務署への届出書等の提出も不要です。

消費税の課税事業者となるかどうかの判定は、原則と例外の2つがあります。原則的には、2年前(前々年)の売上が1,000万円を越えた時です。この2年前の判定期間のことを「基準期間」といいます。

ただし、前年上半期(個人事業主の場合、1月1日~6月30日までの期間)の売上高で1,000万円超となっていた場合も、課税事業者となります。この例外的な判定期間を「特定期間」といいます。

一般的に、売上規模は “徐々に拡大” していくケースが大半ですので、「基準期間」で課税事業者の該当の有無を判定します。・・・が、半年で売上が1千万円を超えるような “急激に売上規模を拡大” している事業主さんは、「特定期間」で判定しますよ、ということですね。

前々年の売上高が 1,000万円超となった事業主は、「消費税課税事業者届出書(基準期間用)」を税務署に提出します。

前年上半期の売上高で 1,000万円超となった事業主は、「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を提出します。


開業初年度の確定申告時点で売上が1,000万円を超えた(上半期は1,000万円以下)なら、個人事業者に消費税が課税される可能性があるのは、事業開始後3期目からとなります。また、レアなケースだとは思いますが、初年度の上半期(個人事業者の場合:1月1日~6月30日)で1,000万円超の場合は、事業開始後2期目から課税対象となります。

つまり、開業初年度では、年収1,000万円を超えそうだろうが超えなさそうだろうが、消費税関係の届出は原則的に不要です。


売上高が一旦1,000万円を越えて、消費税の課税事業者になったのち、売上高が 1,000万円以下になった場合は、再び免税事業者に戻れます。

ただし、売上高1,000万円以下になっても、高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、① その高額特定資産の仕入れた年度(課税期間)、② 翌年、③ 翌々年 の “3年間” は、事業者免税点制度(1,000万円以下は免税業者となる制度)の適用 及び 簡易課税制度 を選択して申告することができなくなりました(平成28年 消費税法改正)。

つまり、課税事業者が、高額特定資産を取得すると、取得年を含めて 向こう3年間(取得年を除いて数えた場合は 向こう2年間)は免税事業者には戻れない、ということです。

[ 参考リンク ]