個人事業:開業時の提出書類 (1) ~基本編

個人事業の開業

個人事業主となったら、税務署(開業届、青色申告関連、納期の特例など)だけでなく、都道府県や市役所へも開業に関する書類を提出します。ご自身の事業内容に合わせて提出しておきましょう。

提出する書類が各自で異なります

個人事業を開業する場合、基本的には「開業届と青色申告承認申請」のコーナーで述べた「個人事業の開廃業等届出書」、「青色申告承認申請申請書」、「個人事業開始申告書」の3つを提出すればよいのですが、開業方法や帳簿記帳方法等によって、以下に示すような書類の提出も必要となってきます。

本ページでは、開業届に加え、個人事業開業時に提出が求められる書類一式について、確認の意味も込めて列挙いたしました。ご参考になれば幸いです。

税務署に提出する書類一式

個人事業主が税務署に提出する主な書類は、以下のものになります。会社の業務内容や携帯によっては、提出しなくてよいものもあります。必要に応じて用意・提出しましょう。

(1) 個人事業の開業・廃業等届出書

(2) 所得税の青色申告承認申請書

(3) 所得税の減価償却資産の償却方法・棚卸資産の評価方法の届出書

  • 開業年分の確定申告期限(翌年3月15日)までに提出します。
    ①「減価償却資産の償却方法」については、定率法による償却などを選択したい場合に記入して提出します。個人事業の場合、提出しなければ全ての資産につき定額法の償却となります。
    ②棚卸資産の評価方法」については、記入して提出しなければ、原価法(最終仕入原価法)を選択したものとみなされます。

    外部リンク:所得税のたな卸資産の評価方法の届出手続 ←届出書(申請用紙)あり
    外部リンク:所得税の減価償却資産の償却方法の届出手続(用紙は、棚卸資産の用紙と兼用)

(4) 所得税 (消費税) の納税地の変更に関する届出書

(5) 青色事業専従者給与に関する届出書

  • 奥様などと一緒に事業を開始する場合に提出しましょう。具体的な解説は、「青色申告承認申請のメリット」をご覧ください。
    青色事業専従者給与額を経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、開業の日や専従者がいることとなった日から2ヶ月以内)に提出。
    外部リンク:青色事業専従者給与に関する届出手続 ←届出書(申請用紙)あり

(6) 給与支払事務所等の開設等届出書

  • 従業員雇用の日や、開設・移転又は廃止の事実があった日から1か月以内に提出します。
    従業員を雇用していなければ、提出の必要はありません(個人事業主は「給与支給」というものが無いため(確定申告による税納付のため)、この届出書の提出は必要ありません。
    外部リンク:給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 ←届出書(申請用紙)あり

(7) 源泉所得税の納期特例の承認に関する届出書

  • 納期の特例を希望する際に提出します。
    この特例は、雇用人数が10人以下ならば、年2回の源泉所得税の納付で済む、というものです(毎月納付するという手間が省ける特例制度)。従業員を雇用していなければ(事業主1人の事業の場合は)、「給与支給」というものが無いので(確定申告による税納付のため)、この届出書は関係ありません。
    外部リンク:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請 ←届出書(申請用紙)あり

都道府県税事務所への提出書類

都道府県税事務所(都税事務所/府税事務所/県税事務所)には、「個人事業開始申告書(事業開始申告書、事業開始等申告書)」を提出することになっています。

確定申告後に個人事業税が発生した場合には、税務署から都道府県税事務所へ課税の内容が通知されます(こちらから届け出なくても、個人事業税の納税通知書が自動的に送られてきます)。

ただし、この書類は特に煩雑でも複雑でもないので、開業後に他の書類と併せて提出しておいてもよいと思います。

基本的に、都道府県税事務所は、お住まいの各市区町村にあります。一般的には、市役所などの行政施設が集結しているところに立地していることが多いようです。詳しくは、最寄りの都道府県税事務所にお問い合わせください。

個人事業開始申告書(事業開始申告書、事業開始等申告書 等)

  • 開業後、速やかに提出(自治体により期限は異なります)

市役所 (市区町村) への提出書類

市区町村役場(市役所/区役所、町村役場)へは、「個人事業開始申告書(事業開始申告書、事業開始等申告書)」を提出することになっています。開業したら速やかに提出しましょう。

ただし、地域によっては、同書類を県税事務所の1ヵ所へ提出するだけで済む場合もあります(市役所等への提出が不要な場合もある)。詳しくは、最寄りの県税事務所や市役所へお問い合わせください。

個人事業開始申告書(事業開始申告書、事業開始等申告書、個人事務所開始申請書 等)

  • 開業後、速やかに提出(自治体により期限は異なります)