帳簿書類(経理)の保存期間

会計・経理処理

書類の保存方法について

「紙による保存」が原則です

帳簿書類の保存方法は、紙による保存が原則となります。このため、パソコンの会計ソフト等で作成した帳簿書類についても、プリンターで印刷し、紙で保存することが求められます。

申請すれば、「電子データ」での保存も可能

ただし、サーバー、DVD、CDなどの電磁的記録(電子データ)により電子計算機(パソコンの会計ソフト等)を使用して作成する帳簿書類について、備え付けを開始する3か月前までに所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受ければ、電子データのまま保存することができます。

保存期間は、紙による帳簿書類等の保存期間に準じ、7年(繰越欠損金の年度は9年)となります(電子帳簿保存法施行規則8)。電子帳簿の具体的な保存方法については、国税庁ホームページの「電子帳簿保存法 Q&A」をご参照ください。

一部の書類は、「スキャナー記録」による保存も可能

また、下記の書類を除く一定の書類については、紙による保存によらず、スキャナーによる保存を行うことが可能です。

ただし、スキャナー記録による保存を行おうとする日の3か月前までに所轄税務署長に対して申請書を提出して承認を受ける必要があります。

なお、帳簿書類については、紙で作成したものをスキャナーで保存することができませんので、DVDなどに記録して保存したい場合は、「電子データのまま」保存する必要があります。

(1) 棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに計算、整理又は決算に関して作成されたその他の書類
(2) 取引の相手方から受け取った契約書・領収書等 及び 自社で作成した契約書・領収書等の写し(記載された金額が3万円未満のものを除く)

最後の2年間は、「マイクロフィルム」による保存も可能ですが・・・

マイクロフィルムによる保存が可能な場合は、保存期間の最後の2年間に当たる6年目及び7年目(繰越欠損金の年度の場合は8年目及び9年目)の帳簿書類については、マイクロフィルムにより保存することが可能です(保存開始の3か月前までに所轄税務署長のへの申請・承認が必要。一定の要件を満たすものに限る)

ただし、費用がかかり(マイクロフィルムリーダプリンタは、100万円もします!)、またデータを転写する時間も無駄ですね。

前述のように、現在は電磁的記録(電子データ)やスキャナーによる保存ができるように整備されているため、残り2年間のためにわざわざマイクロフィルムでデータを保存することは、(大企業と異なり資金的・人的な余剰能力がない)中小企業にとって、あまり意味がないかもしれませんね。

[ 参考リンク ]

税務調査で求められるのは過去何年分?

税務調査で提示・提出を求められる書類は、一般的に「過去3年分」と言われています。このため、「前述した帳簿書類」に加え、「給与等に関する書類」(給与台帳、扶養控除等申告書、保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書、源泉徴収簿など)についても、過去3年分のものがすぐに取り出せるように あらかじめ整理・保管 しておくことをおすすめします。

また、過去4年以前の帳簿書類についても、会計年度ごとに整理して、必要に応じて取り出せるようにしておきましょう。

源泉徴収簿の保存&取り扱いについて

なお、余談ですが、源泉徴収簿は、源泉徴収や年末調整などの事務を正確&効率的に行うために国税庁が「便利ツール」として提供してくれているものであり、法令で定められた書類ではありません。

このため、源泉徴収義務者(会社)が使用している給与台帳(賃金台帳)であっても、毎月の源泉徴収の記録が記載され、年末調整でも使用できるような様式のものであれば、それを利用しても構わないことになっています。

・・・とはいえ、税務調査等で記載内容の不備を指摘されるといったトラブルを避けるためにも、源泉徴収簿と給与台帳(賃金台帳)を一緒に保管しておいたほうがベターです。

[ 参考リンク ]