会計ソフトは不可欠 (1):導入のメリット

事業戦略・実践ヒント

本ページでは、「会計ソフト」導入のメリットについてご紹介します。会計帳簿を手書きするのは、書くのが面倒なだけでなく、計算ミスのリスクや膨大の時間の喪失なども生じ、何も良いことがありません。

会計ソフトですと、手間は省けて大幅に時間も短縮、また数字の正確さや、経理コストの削減など、いいことづくめです。本ページでは具体例を挙げ、そのスゴさをご紹介します。

商売やるなら会計処理をマスター!

中小企業や個人事業を運営していく上で必要となるのが「毎日の取引を会計帳簿に記入(記帳)」することです。自分の事業(会社)がどれくらい儲けているのか、つまり「収入がいくらで、それにかかった経費が何円なのか」というのを把握するためには、やはり帳簿をつけないとわかりません。

帳簿の記帳方法をマスターすれば、「毎月の原価管理の把握」や「収支見通しの策定」などを自分で出来る(経営者自らが作成できる)ようになるので、事業を今後成長&拡大させていく上でも大変役に立ちます。

また「日常のお金の動き」がわかれば、商売で失敗するリスクも格段に下がります(無茶な投資や仕入などがいかにアブナイか、ということ等が自ず(おのず)と見えてきます)。

「手書き」の帳簿は大変な苦労 💦

昔は、帳簿記帳などは全て手書きで行なっていました。ただ、このような一連の経理処理を手書きでやると、ものすごく手間がかかります。

手書きの場合、① まず「売掛帳」「買掛帳」「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」を作り、② それを「仕訳日記帳」に転記(取引仕訳を記載)し、③ それを更に「総勘定元帳」へ書き写すなどの作業をしないといけません。

また、少しでも転記ミス(記載ミス)をすれば、金額が一致しなくなり、その原因究明や修正に多くの時間を費やすことになります。すなわち、これらの帳簿記載作業は膨大な手間を要するので、自分でやっていると日常業務の妨げにもなりかねません

経理処理の分布割合ちなみに、経理処理の分布割合は、会計ソフト導入が約50%、そのうちの85%程度(全体の約43%)がインストール型で、残り15%程度(全体の約7%)がクラウド型の会計システムを導入しているようです。

また、「経理は税理士に一任」という会社&事業主は約30%、Excel などの表計算ソフトを使っている割合は約15%程度となっています。

なお、 「その他」は、「手書きの記帳」や「日常的に記帳していない個人の白色申告者」などが含まれているようです。ちなみに、平成26年から 記帳は義務化されていますので、パソコン or 手書き の記帳が求められます。

会計ソフトを使えば 処理が大変ラク

前述のとおり、手書きでの記帳ミスは、日常業務の妨げにもなりますので、事業を開始するなら、開業当初から「会計ソフト」を導入することをおすすめします。といいますか、「会計ソフト」を導入すれば、ものすごく経理処理がラクになります(簡単です)。

会計ソフトを使えば、「仕訳の直接入力」、「入出金伝票」、「売掛帳」など、どの方式で入力しても「会計取引を各帳簿へ漏れなく入力」してくれる(仕訳日記帳や総勘定元帳への直接入力も可能!)だけでなく、更にそれを自動で「仕訳日記帳」や「総勘定元帳」へ自動で転記してくれるので、「数字の転記ミス」や「書き漏らし」、「手書きでひとつひとつ書き写す手間」などを”完全に”省けます。

なお、Excel などの表計算ソフトを利用する場合、何らかの手違いで計算データをいじってしまい、金額が狂ってしまう可能性もあります。このため、Excel は、売上・経費の補助データや収支分析データなどにとどめておく方が無難です。

ちなみに、私も「補助データ」として、Excel を大いに活用していますが、会計の記帳(会計帳簿)は 別個に会計ソフトを使用しています。

ソフトなら試算表や決算書も自動生成

会計ソフトであれば、帳簿記帳のみならず、試算表や決算書(や青色申告書)も自動で作成してくれます。期中の収支や現預金の流れなどを、クリックひとつで即座に把握することができるほか、損益計算書や貸借対照表などを作成する際も、そのまま印刷すればOKです。

また、日付を前後してバラバラに入力してしまった仕訳でも「伝票番号の再付番」をしてくれる(後日に入力した仕訳を日付順に並べ直してくれる&取引番号も日付順に再付番してくれる)など、データメンテナンスにおいても優れた機能を発揮してくれます(「弥生会計」や「会計王」には、この機能が付いています。詳細は 次ページの「”インストール型” のオススメ会計ソフト」で解説)。手書きでは、そうはいきません。逆日付のまま記録が残されます。

更には、初心者でも仕訳処理が出来るように「簡単取引辞書」や「仕訳辞書」も付いているので(弥生会計のケース)、戸惑うことなく取引入力が出来ます。

会計ソフト導入でコスト節減!

「私は経理なんてやったことないので不安」という方も多いでしょうが、自分で記帳できるようになれば、経理担当者を雇う必要が無くなりますし(社会保険料等を含む人件費30万円×12ヵ月=360万円がタダ!)、税理士だって不要になります(毎月の顧問料3万円×12ヵ月+法人税申告書作成10万円≒ 50万円弱 を支払わなくて済みます)。すなわち、会計ソフトを使って自分で記帳すれば、年間で約400万円の経費節減につながります。

なお、この説明は、事業規模が小規模で、税理士さんへの顧問料負担が重くのしかかる場合のケースになります。会社の規模が拡大してきたり、業務・経理が複雑化してきた場合は、(会計ソフトを使用しつつも)税理士さんに経理をみてもらった方が、確実&間違いのない経理処理が行えることと思います。税務調査等、いざという時の強い味方にもなってくれますね。