株式会社の設立方法・手順

会社設立 (法人の開業)

手順6: 設立登記の申請

法務局に行って、「株式会社 設立登記申請書」を提出し、審査を受けます。添付書類は以下のとおりです。申請時に設立登記登録免許税(登記印紙代)が150,000円かかります。

登記申請をするにあたり、記載方法などについて最寄りの法務局にあらかじめ確認しておきましょう。また、ご自身で作成した「登記申請書類一式」をチェックしてもらい、大きなミスなどがないかをチェックしてもらうと、訂正や申請却下のリスクなどが大幅に減ります(入念に確認作業をすれば、ミスもなくスムーズに登記が完了します)。

設立登記申請の際に必要な書類

  1. 株式会社設立登記申請書 [必須]
    法務省・法務局が公開している申請書様式等を参考にして、ご自身で作成します。各種パターンの申請書様式が用紙されていますので、参考にしてみるといいですね。申請書には、会社実印を押印します。
  2. 登録免許税の収入印紙を貼り付けた台紙
    収入印紙を台紙に貼り付けて提出します。法務局に「登録免許税納付用台紙」がありますので、そちらを利用するか、A4などの白紙の用紙に貼り付けて提出してもかまいません。
    なお、印紙に消印をしてはいけませんので、うっかり印鑑を押さないよう(消印しないよう)ご注意ください。
    登記申請書と納付用台紙をホチキス等でとめたページ(見開きのページ)については、会社実印で「契印(けいいん)」します。
    収入印紙の金額が大きいので、「登記申請書」のみならず「その他の添付書類」も含め、書き方や綴じ方など、すべてに誤りがないかどうかを法務局や司法書士に確認してから(了承されてから)、最後に印紙を貼り付けるようにしてください。
  3. 定款
    公証役場で認証を受けた定款を提出します。
  4. 発起人の同意書
    定款で「設立時発行株式に関する事項」を定めている場合は、定款を援用(提出を省略)できます。定めていない場合は、同意書(発起人が個人実印で押印)を登記申請書に添付します。
  5. 発起人の決定書(発起人会議事録)
    発起人の決定書は、発起人全員の合意で本店所在地を決定したことを証明するための書類になります。定款に詳しい住所(番地 等)を記載していない場合に必要となります。
    発起人が1人の場合は、名称は「発起人決定書」となり、複数いる場合は「発起人会議事録」となります。
    (なお、「定款で代表取締役を選定していない場合」や「代表取締役を株主総会で選定する」としている場合は、代表取締役が誰になるのかを明確にするために 設立時代表取締役選定決議書 を作成するか、もしくはこの 発起人会議事録 にまとめて記載することもできます。
    また、定款で「設立時取締役を定款に定めていない場合」「監査役を置く場合で定款に定めない場合」にも、設立時取締役選任決議書 設立時監査役選任決議書 を作成するか、もしくはこの 発起人会議事録 にまとめて記載することが可能です。)
  6. 設立時取締役の就任承諾書
    取締役の就任を承諾したことを証明する書類。定款作成日と役職名を記載します。ただし、発起人が役員になる場合は、設立登記申請書に「定款の記載を援用する」と記載すれば、取締役の就任承諾書は不要となります。
    ただし、電子定款の場合は、援用できませんので、就任承諾書が必要です。また、発起人以外の人が取締役になる場合は必要となります。
  7. 設立時代表取締役の就任承諾書
    「取締役が1人で代表取締役と兼務している場合」「定款で代表取締役を直接記載している場合」 「株主総会で代表取締役を選任している場合」「全ての取締役に代表権がある場合」などいは、代表取締役の就任承諾書は不要です。
    しかし、「定款の規定で取締役の互選で代表取締役を選任する」としている場合は、取締役の就任承諾書に加え、代表取締役の就任承諾書が必要となります。
  8. 設立時監査役の就任承諾書
    発起人でない人が監査役になる場合には、「監査役の就任承諾書」の提出が必要となります。発起人でない監査役1人ごとに個別に作成します。
    なお、監査役の設置については、① 株式譲渡制限会社である、② 取締役会を設置していない、③ 取締役会を設置して会計参与を置く場合 … のいずれかに該当する場合は、設置しなくてもよいことになっています。また、④ 委員会設置会社である 場合は、監査役の設置が禁止されています。
    つまり、中小企業( ① )の場合は、② 取締役会を設置していない、③ 取締役会を設置して会計参与を置く場合 … であれば、監査役の設置は不要ですので、本承諾書も不要です。
  9. 払込証明書
    資本金の払込を受けたことを証明する書類です。この書面に「資本金を振り込んだ後の預金通帳のコピー」(記帳欄、表紙、個人情報欄) を添付します。
  10. 印鑑届書
    法人実印(代表者印)を捺印・提出します。法務局に用紙があります。または法務局HPにある「印鑑届書(様式・記載例)」をコピーして提出してもOKです。会社&個人の実印を押印します。
  11. 印鑑証明書
    取締役会を置かない会社
    → 取締役全員の印鑑証明書が各1通必要です。取締役会設置会社
    → 代表取締役に就任する人の印鑑証明書が1通必要です。印鑑証明書は発行後3か月以内有効です。
  12. 本人確認証明書
    設立時取締役,設立時監査役(印鑑証明書を添付しない役員)については、住民票記載事項証明書,運転免許証のコピー(裏面もコピーし,本人が原本と相違ない旨を記載して,
    署名又は記名押印したもの。)等の本人確認証明書を添付します。

    1. 住民票記載事項証明書(住民票の写し、個人番号 非記載 のもの)
    2. 戸籍の附票
    3. 住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
    4. 運転免許証等のコピー
      (住基カード・免許証は、裏面もコピー、「原本と相違がない。」と本人が記載し、記名押印します。2枚以上になる場合は、2枚を綴じて承諾書等に押印した印鑑で契印します)
    5. マイナンバーカードの表面のコピー
      (オモテ面のみをコピー。「原本と相違がない。」と本人が記載し記名押印します。)
  13. 登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体
    CD-ROM、CD-R、DVD-R、DVD-ROMのいずれかに記録して提出します。法務省の「登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体について」のページで記載方法等の解説が書かれています。
  14. 設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその附属書類(財産引継書等)
    現物出資がある場合には、調査報告書と財産引継書の提出が必要です。
  15. 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
    現物出資や資本準備金がある場合には提出が必要です。
  16. その他、必要に応じ提出する書類
    会社の設立の形態に応じて、その他の必要となる書類を用意します。特に、現物出資の場合は、必要となる書類が幾つか増えますので、留意が必要です。
    検査役の調査報告書及びその附属書類
    有価証券の市場価格を証する書面
    弁護士等の証明書及びその附属書類
    資本金の額の計上に関する証明書
    設立時会計参与,会計監査人の就任承諾書及び資格証明書
    特別取締役の選定を証する書面及び就任承諾書
    代理人の権限を証する書面(委任状)  など

手順7: 無事に会社設立!

「登記申請時に窓口で提示されていた指定日」に法務局へ再度訪問し、補正の有無を確認します(電話でも確認できます)。補正の必要がなければ登記完了です。

ちなみに、会社の設立年月日は「法務局が登記書類を受け付けた日」になります。ただし、これは書類を受理してくれて、無事に登記完了した場合であり、申請却下された場合は登記完了日(=会社設立日)とはなりませんので、ご注意ください。

なお、会社設立後に金融機関で口座を開設したり、税務署などへ設立の届出をする場合などに「登記簿謄本」と「印鑑証明」が必要となりますので、貰いに行きましょう。登記簿謄本は1通1,000円、印鑑証明書は1通500円です。

手順8: 税務署等に書類を提出

会社を無事に設立できたら、①税務署、②市役所(市町村役場)、③県税事務所(都道府県税事務所)、④年金事務所(旧:社会保険事務所)、⑤労働基準監督署、⑥公共職業安定所へ各種書類を提出する必要があります。

これらの提出が終わって初めて、会社の事業運営に専念できますので、もうひとふんばり頑張りましょう。