フリーランス、SOHO、ノマドワーカー、個人事業主 の違いとは?

個人事業の開業

数年前から「フリーランス」「ノマドワーカー」という言葉をよく耳にします。最近は、テレビでも IT系フリーランスの求人サイト のCMが放送されていますね。

本ページでは、この「フリーランス」の言葉の意味、そして「SOHO」(ソーホー)「ノマドワーカー」「個人事業主」「自営業」のそれぞれの言葉の意味や違いについても解説したいと思います。

フリーランスとは?

フリーランスとは、仕事を提供してくれる会社などに属さずに単発の仕事をその都度契約して引き受ける労働形態(働き方)のことをいいます。昔の言い方で言うと「自由業」といったところですね。

フリーランスは、「案件ごとに仕事を請け負って業務を遂行すること」が目的となっており、その仕事を納品すれば、お金を貰えますので、自由度の大きい仕事だといえます。

このような働き方をする人を、フリーランサー 又は フリーエージェント といいます。ちなみに、英語では、日本語と同様に Freelancer(フリーランサー)といったり、Freelance Worker(フリーランス・ワーカー)と表現したりします。

一般的に、このような仕事を請け負うのは個人事業主に多いのですが、一人会社(会社を社長一人で経営)でも、フリーランスの仕事を請け負うことは可能です。

SOHO(ソーホー)とは?

SOHO(ソーホー)とは、Small Office / Home Office(スモールオフィス・ホームオフィス)又は Single Office / Home Office(シングルオフィス・ホームオフィス)の略称で、”働き場所 ( ..オフィス)” の意味から転じて、「小さな事務所や自宅などで 情報通信を活用して 仕事をする労働形態(働き方)」のことを指します。

SOHO の「インターネットを使って、会社に出社しないで(会社に縛られないで)自宅で仕事をする」というスタイル・・・。確かに、「パソコン=デスクトップ=Windows」のような図式だった時代には、この仕事スタイルは “斬新” に聞こえましたが、最近は 既に「仕事にパソコンやスマホを利用しないことの方が、むしろ珍しい」という時代に突入しています。

このため、「在宅ワーク」や「事務所を借りて個人で仕事をする」なら、(昔の言葉の意味を当てはめて言うのであれば)すべてSOHOに該当するともいえそうですね。

つまり、(仕事の一道具として)パソコンやスマートフォンを使うのが 当たり前となった今日では、SOHOという言葉は “死語” とまでは申しませんが、ちょっぴり時代遅れの言葉になりましたね。

ノマドワーカーとは?

ノマドワーカーとは、ノートパソコンやタブレット、スマホなどを使って、オフィス以外の場所、例えば、Wi-Fi環境のある喫茶店などで仕事をする人のことをいいます。

ノマド(nomado)は、元々英語で「遊牧民」を指す言葉です。「ノマドワーカー」「ノマドワーク」「ノマドワーキング」といった言葉は、日本で作られた 和製英語 なんだそうです。

SOHO の働き場所が “自宅オフィス” や “賃貸オフィス” であるのに対し、ノマドワーカーは、事務所すら持たないという、進化系の仕事スタイルともいえますね。「仕事は、スターバックスやマクドナルドでやればいいじゃん、でも時々自宅でやる」といった感じです。まさに遊牧民のようで、身軽でイイですね~。

ところで、最近は あまり「SOHO」という言葉を聞かなくなり、代わりに この「ノマドワーカー」や「フリーランス」という言葉が飛び交ってるように思います。世の中は “ノマド&フリーランス全盛期” ですね! 数年後は、どんなネーミングが流行っているでしょうか?

個人事業主とは?

個人事業主とは、読んで字のごとく「(法人を設立せずに)個人で事業を行っている人」を指します。また、家族を含め、人を雇った場合でも、同じく 法人(会社)を設立して営んでいなければ、個人事業主ということになります。

税務署(や県税事務所・市役所 等)に開業届を提出して事業を開始すれば、対外的にも認められた「個人事業主」となります。

ちなみに、個人事業主は「自営業」という言い方もされます。「個人事業主 ≒ 自営業」… ほぼ同義語 と考えて差し支えないですね。

フリーランス、SOHO、個人事業主の違い

結論から申しますと、個人で事業を営んでいるなら、「フリーランス」も「SOHO」も「ノマドワーカー」も “個人事業主” ということになります。

個人事業主は、既述のとおり、会社組織ではなく、個人で事業を営む人(事業者)のことをいいます。これに対して、フリーランス、SOHO、ノマドワーカーという言葉は、どれも「働き方」を示す言葉です。個人でやっているなら個人事業主(自営業者)ということですね!

「あなたの職業は何ですか」と問われたら、世間話レベルなら「フリーランスです」と公言すれば、カッコよく聞こえますね。名刺などの肩書に “フリーランサー” などを使うのは大いに結構だと思います。

ただし、きちっとした場面 … 例えば 税務署、役所、警察などで、”職業分類” 的な意味合いで訊ねられたら「個人事業主自営業)です」と言った方が、すんなりと受け入れられると思われます。