印鑑の作成について(会社設立、法人経営)

会社設立 (法人の開業)

会社設立&事業運営に必要な印鑑はコレ!

会社の設立や経営(事業運営)に最低限必要な印鑑は、①社長個人の実印、②会社実印(代表者印)、③会社銀行印 の3つです。よく印鑑屋などで「会社設立3点セット」として売られている印鑑は、①~③の3点のことをいいます。

その他、事業運営上必要となるものに ④会社角印(社印)や、⑤ゴム印があります。以下の項目で各種の印鑑を簡単に補足説明したいと思います。

それぞれの印鑑には、それぞれの用途がありますが、使い方や目的が分かれば、どの程度の印鑑(金額、材質など)を購入すればよいのか、自然と見えてくると思います。ご購入の際の参考になれば幸いです。

① 個人の実印

まず、会社設立のために一番最初に行う作業は定款を作成し 認証を受けることですが、その際に必要となるのは ①個人実印 です。

既にお持ちなら、あらかじめ市役所等で印鑑登録しておきましょう(公証役場で定款の認証を受ける際に、個人実印の印鑑証明書が必要となります)。

② 会社実印(代表者印)

会社実印(代表者印 / 代表取締役印)は、法人設立登記や設立後の諸決議等、様々な重要局面で必要となります。

印鑑は、「印影が著しく複雑または簡単であるため、照合に適さないものでないこと」とされ、一辺が10mm以上30mm以内の正方形に収まるものでなければなりません。

・・・と、やや堅苦しい説明になりましたが、通常、印鑑屋さんで売っている法人印であれば、問題なく使用できます。一般的には、18mmの大きさのものが多く出回っています

法人印の字体には特に制限がありませんが、「篆書体(てんしょたい)」が一般的です。その他、「印相体(いんそうたい)」や、「古印体(こいんたい)」なども使用されています。

③ 会社銀行印

会社銀行印と会社実印を区別していない方もいらっしゃるようですが、「銀行からお金を引き出せる、お金を借りられる印鑑」として使用するものであるため、なるべくなら会社実印とは別に作成しておきましょう(ほとんどの会社は「会社実印」と「会社銀行印」を別個に使用しています)。

「経費節約のために実印と銀行印を兼用しましょう」と書かれている記事も散見されますが、セキュリティ面において、かなり危ない行為と言わざるを得ません。

取引関係者や第三者が印鑑証明書(或いはコピー)を入手すると、その証明書の印影を使って簡単にお金を引き出すこともできるんです。オソロシイですね。多少の出費でリスクを低減できるのですから、別個に購入しておきましょう。

なお、会社実印の字体を「篆書体(てんしょたい)」で作った場合には、会社銀行印の字体は「印相体」など、他の字体にしておくと「印鑑の混同」などのトラブルを防ぎやすくなります。

④ 会社角印(社印)

角印とは、四角い印鑑のことをいい、社印とも呼ばれます。主に請求書や領収書などで使用されるものです。請求書などに安易に「会社実印(代表者印)」や「会社銀行印」を押印するのは、印鑑偽造等、大変キケンです。

このため、設立当初から仕入や販売などの「対外的な取引」がある方や、プロバイダなど「各種利用契約」をご予定している方は、この角印(社印)を使用できるよう あらかじめ作っておきましょう。

なお、印面がゴム製、取っ手がプラスチック製の激安価格の角印もありますので、使い方によってはこれでもかまわないと思います。

⑤ ゴム印(横版、住所印、小切手印)

ゴム印 (ほかに 横版、住所印、宛名印、小切手印 などの呼び名あり)とは、会社の住所・電話番号・会社名・代表取締役名などが刻印されているスタンプのことをいいます。

ゴム印を買っておくと、伝票などへの住所記載の簡略化に役立ちます。ただし、利用頻度が低そうでしたら、ゴム印を買わなくても構いません。手書きで間に合わせましょう。

個人実印・銀行印も別個に作成

余談ですが、銀行預金(社長や取締役の個人預金)等の安全性を重視するのであれば、会社設立の際に使用した「①社長個人の実印(個人実印)」とは別個に「個人銀行印」も持っておくと良いと思います。

ちなみに、個人実印は一番大きいサイズで作成し、銀行印は一回り小さくするのが一般的です。昔からの慣習でそのようになっているようですが、実際に大きさを変えておくことにより、使用する際に「混同を防げる」ので、サイズを変えておくと良いですね。

例えば、個人実印の直径が18mmなら 銀行印は16.5mmを、実印が16.5mmなら銀行印は15mmを、実印が15mmなら銀行印は13.5mmを・・・・ といった具合で作成することが多いようです。