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株式会社の設立方法・手順



株式会社の設立方法・手順

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1. 株式会社設立の手順
2. 手順1: 「類似商号」を調査
3. 手順2: 印鑑を作成する
4. 手順3: 定款を作成する
5. 手順4: 定款の認証を受ける
6. 手順5: 出資金の払込
7. 手順6: 設立登記の申請
8. 手順7: 無事に会社設立!
9. 手順8: 税務署等に書類を提出



 18年5月の会社法施行後、会社設立の手順が変わりました。以下のような流れになります。流れそのものは、従前の有限会社や株式会社の設立と さほど変わりませんが、具体的な手続き・方法など が変更されています。 本章では具体的な手続き方法 について解説します。

「類似商号」を念のため調査する

印鑑を作成する

定款を作成する

定款の認証を受ける

出資金の払込

設立登記の申請

無事に会社設立!

税務署・年金事務所等に書類を提出




 社名のことを正式には「商号」といいます。会社法施行後の株式会社設立においては、類似商号をチェックする必要性が少なくなりました(心配な方は念のためチェックしましょう)。ただし、同一住所に同一商号の法人は設立できません。

・同一住所の可否
× ダメ 三丁目4番5号 三丁目4番5号101号室
○ OK 三丁目4番5号101号室 三丁目4番5号102号室

・同一商号の可否
× ダメ 鈴木 株式会社 株式会社 鈴木
○ OK 鈴木 株式会社 株式会社 スズキ機械

 以上の×印 同士の組み合わせの場合は、「同一住所の同一商号」という扱いになり、設立できません。万一のトラブルを回避したいなら、念のため法務局に備え付けられている「商号調査簿」でチェックしておきましょう。

 なお、仮に「紛らわしい住所&商号」で設立できたとしても、商号差止請求 や 不正競争防止法に基づく損害賠償 を起こされる恐れが無いとも限りませんので、その点に配慮して商号を決めましょう。



 会社設立および事業運営に最低限必要な印鑑は、
①社長個人の実印、②会社実印、③会社銀行印 の3つです。よく印鑑屋などで「会社設立3点セット」として売られている印鑑は、①~③の3点のことをいいます。
 その他、事業運営上必要となるものに ④会社角印(社印)や、⑤ゴム印があります。

個人実印
 まず、会社設立のために一番最初に行う作業は定款を作成し 認証を受けることですが、その際に必要となるのは ①個人実印 です。既にお持ちなら、あらかじめ市役所等で印鑑登録しておきましょう(公証人役場で定款の認証を受ける際に、個人実印の印鑑証明書が必要となります)。

会社実印(代表者印)
 会社実印は、法人設立登記や設立後の諸決議等、様々な重要局面で必要となります。印鑑は、「印影が著しく複雑または簡単であるため、照合に適さないものでないこと」とされ、一辺が10mm以上30mm以内の正方形に収まるものでなければなりません。

会社銀行印
 会社銀行印と会社実印を区別していない方もいらっしゃるようですが、「銀行からお金を引き出せる、お金を借りられる印鑑」として使用するものであるため、なるべくなら会社実印とは別に作成しておきましょう(ほとんどの会社は「会社実印」と「会社銀行印」を別個に使用しています)。
 「経費節約のために実印と銀行印を兼用しましょう」と書かれている記事も散見されますが、かなり危ない行為と言わざるを得ません。取引関係者や第三者が印鑑証明書(或いはコピー)を入手すると、その証明書の印影を使って簡単にお金を引き出すこともできるんです。オソロシイですね。多少の出費でリスクを低減できるのですから、別個に購入しておきましょう。

会社角印(社印)
 角印とは、四角い印鑑のことをいい、社印とも呼ばれます。主に請求書や領収書などで使用されるものです。請求書などに安易に「会社実印(代表者印)」や「会社銀行印」を押印するのは、印鑑偽造等の問題があり、大変キケンです。このため、設立当初から仕入や販売などの「対外的な取引」がある方や、プロバイダなど「各種利用契約」をご予定している方は、この角印(社印)を使用できるよう あらかじめ作っておきましょう。なお、印面がゴム製、取っ手がプラスチック製の激安価格の角印もありますので、使い方によってはこれでもかまわないと思います。

ゴム印 (ほかに 横版、住所印、宛名印、小切手印 などの呼び名あり)
 ゴム印とは、会社の住所・電話番号・会社名・代表取締役名などが刻印されているスタンプのことをいいます。ゴム印を買っておくと、伝票などへの住所記載の簡略化に役立ちます。ただし、利用頻度が低そうでしたら、ゴム印を買わなくても構いません。手書きで間に合わせましょう。

個人銀行印
 銀行預金等の安全性を重視するのであれば、①社長個人の実印(個人実印)とは別に個人銀行印も持っておくと良いと思います。



 定款とは、会社の目的や組織などの基本的な事項を規定したものです。以下の項目などを記載します。作成したら、公証人役場に提出し、認証を受ける必要があります(3部作成し提出)。認証を受けたら、うち1部を法務局に提出します(3部はそれぞれ ①公証人役場 保管用、②法務局提出用、③会社保管用 となります)。

 定款に記載する項目は、「従前の有限会社や株式会社の設立」と比べて自由度が増しましたが、その記載方法によって法的効力も大きく変わってきますので、注意して作成しましょう。なお、定款認証後は、原則として訂正できません(認証後の変更は、法務局での変更登記にて対応。登記費用がかかります)。記載漏れのないよう、念のため行政書士などにチェックしてもらったほうが良いかもしれません。

定款記載項目(一部抜粋)
・会社の商号
・会社の事業目的
・発行可能株式数
・設立に際して発行する株式の総数と1株の金額
・発起人が引き受ける株式の数
・資本金を払い込む金融機関  など

参考リンク:
日本公証人連合会「定款認証」…定款の書き方について解説。





 定款が効力を生ずるために、公証人の認証を受ける必要があります。公証人役場に行って認証を受けましょう。費用は、定款認証代 50,000円、印紙代 40,000円、謄本代 約1,000円(1枚250円。4枚なら1,000円)で、合計 91,000円です。公証人役場に提出する書類は、以下のとおりです。なお、定款の認証を受けた謄本は設立登記申請時に必要となりますので、忘れずに受け取りましょう。
 なお、紙による定款の場合、印紙代40,000円を貼り付ける必要がありますが、電子定款の場合には印紙代が不要となります。手続きの流れ等については、当サイト「電子定款の作成&認証」コーナーをご参照ください。

【 定款認証時に必要な書類等 】(紙による定款の場合)

・定款 (3通作成し提出→1通は公証人が保管、残りは登記提出&会社保管用)
・発起人(全員)の印鑑証明書 各1通
 [発起人が法人の場合は、その登記簿謄本1通]
・収入印紙 40,000円
 [3通のうち1通に貼り付けますが、定款再作成や不受理の可能性もあるため、公証人の指示があるまで絶対に貼らないように!]
・定款認証費 50,000円
 [公証人に支払う手数料です]
・謄本交付手数料 約1,000円 (1枚250円。4枚なら1,000円)

参考リンク:
日本公証人連合会「定款認証」…定款の書き方について解説。



 出資払込金を証明する書類として、設立時点の代表取締役等の「残高証明書」と、「預金通帳のコピー」を合わせたもので対応できます。出資金額を口座に入金したら、銀行で「残高証明書」を発行してもらいましょう。手数料は、銀行にもよりますが、500円~1,000円程度で発行してもらえます。



 法務局に行って、「株式会社 設立登記申請書」を提出し、審査を受けます。添付書類は以下のとおりです。申請時に設立登記登録免許税(登記印紙代)が150,000円かかります。

 登記申請をするにあたり、記載方法などについて最寄りの法務局にあらかじめ確認しておきましょう。また、ご自身で作成した「登記申請書類一式」をチェックしてもらい、大きなミスなどがないかをチェックしてもらうと、訂正や申請却下のリスクなどが大幅に減ります(入念に確認作業をすれば、ミスもなくスムーズに登記が完了します)。

設立登記申請の際に必要な書類

  1. 株式会社設立登記申請書 [必須]
     法務省・法務局が公開している申請書様式等を参考にして、ご自身で作成します。各種パターンの申請書様式が用紙されていますので、参考にしてみるといいですね。申請書には、会社実印を押印します。

  2. 登録免許税の収入印紙を貼り付けた台紙
     収入印紙を台紙に貼り付けて提出します。法務局に「登録免許税納付用台紙」がありますので、そちらを利用するか、A4などの白紙の用紙に貼り付けて提出してもかまいません。なお、印紙に消印をしてはいけませんので、うっかり印鑑を押さないよう(消印しないよう)ご注意ください。
     登記申請書と納付用台紙をホチキス等でとめたページ(見開きのページ)については、会社実印で「契印(けいいん)」します。
     収入印紙の金額が大きいので、「登記申請書」のみならず「その他の添付書類」も含め、書き方や綴じ方など、すべてに誤りがないかどうかを法務局や行政書士等に確認してから(了承されてから)、最後に印紙を貼り付けるようにしてください。

  3. 定款
     公証役場で認証を受けた定款を提出します。

  4. 発起人全員の同意書
     必要な事項を定款で定めている場合は、定款を援用(提出を省略)できます。

  5. 設立時取締役及び設立時監査役の選任を証する書面
     「設立時取締役及び設立時監査役の選任を証する書面」あるいは「設立時取締役及び設立時監査役の選任決議書」といいます。定款で役員を定めている場合は、定款が役員の選任を証する書面になるため、選任決議書を添付する必要はありません。

  6. 設立時代表取締役の選定を証する書面
     「設立時代表取締役の選定を証する書面」あるいは「設立時代表取締役の選定決議書」といいます。取締役会非設置(設置しない会社)の場合、代表取締役の選定は任意となっていますが、選定しない場合は取締役全員に代表権があることになります(全員が代表取締役)。代表取締役を1人にしたい場合は、この選定決議書の提出は必要です。
     取締役会設置(設置する会社)の場合、取締役の中から必ず代表取締役を選定しなくてはならないため、提出が必要です。

  7. 設立時取締役の就任承諾書
     取締役の就任を承諾したことを証明する書類。定款作成日と役職名を記載します。ただし、発起人が役員になる場合は、設立登記申請書に「定款の記載を援用する」と記載すれば、取締役の就任承諾書は不要となります。
     発起人以外の人が取締役になる場合は必要となります。

  8. 設立時代表取締役の就任承諾書
     「定款で代表取締役を直接記載している」 あるいは 「株主総会で代表取締役を選任している」場合は、代表取締役の就任承諾書は不要です。
     しかし、「定款の規定で取締役の互選で代表取締役を選任」している場合には、取締役の就任承諾書に加え、代表取締役の就任承諾書が必要となります。

  9. 設立時監査役の就任承諾書
     発起人でない人が監査役になる場合には、「監査役の就任承諾書」の提出が必要となります。発起人でない監査役1人ごとに個別に作成します。

  10. 払込証明書
     払込を受けたことを証明する旨を記載した書面に 預金通帳の写し 等を添付します。なお、払込証明書には「会社実印」を押印します。

  11. 印鑑届書
     法人実印(代表者印)を捺印・提出します。法務局に用紙があります。または法務局HPにある「印鑑届書(様式・記載例)」をコピーして提出してもOKです。会社&個人の実印を押印します。

  12. 印鑑証明書
     取締役会を置かない会社
     → 取締役全員の印鑑証明書が各1通必要です。

     取締役会設置会社
     → 代表取締役に就任する人の印鑑証明書が1通必要です。

     印鑑証明書は発行後3か月以内有効です。
  13. 本人確認証明書
     設立時取締役,設立時監査役(印鑑証明書を添付しない役員)については、住民票記載事項証明書,運転免許証のコピー(裏面もコピーし,本人が原本と相違ない旨を記載して,
    署名又は記名押印したもの。)等の本人確認証明書を添付します。

    1. 住民票記載事項証明書(住民票の写し、個人番号 非記載 のもの)
    2. 戸籍の附票
    3. 住基カード(住所が記載されているもの)のコピー
    4. 運転免許証等のコピー
      (住基カード・免許証は、裏面もコピー、「原本と相違がない。」と本人が記載し、記名押印します。2枚以上になる場合は、2枚を綴じて承諾書等に押印した印鑑で契印します)
    5. マイナンバーカードの表面のコピー
      (オモテ面のみをコピー。「原本と相違がない。」と本人が記載し記名押印します。)

  14. 登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体
     CD-ROM、CD-R、DVD-R、DVD-ROMのいずれかに記録して提出します。法務省の「登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体について」のページで記載方法等の解説が書かれています。

  15. 設立時取締役選任決議書
     設立時取締役を定款に定めていない場合に必要です。

  16. 設立時監査役選任決議書
     監査役を置く場合で定款に定めない場合に必要です。

  17. 設立時代表取締役選定決議書
     会社設立時に代表取締役を置くことに決めたものの、定款に代表取締役を定めなかった場合に必要となります。

  18. 本店所在場所決議書
     定款に地番までの記載がない場合に提出が必要です。

  19. 発起人決定書
     会社の設立時に決めておくべき事項で、定款で定めていない項目について記載する書類です。
    上記3~6をまとめて「発起人決定書」として提出可能です。また、3~6に加え、決算の公告方法を電子公告としている場合で、定款にURLを記載していない場合も発起人決定書に記載します。
    なお、発起人が1人の場合は、名称は「発起人決定書」となり、複数いる場合は「発起人会議事録」となります。

  20. 設立時取締役及び設立時監査役の調査報告書及びその附属書類(財産引継書等)
     現物出資がある場合には、調査報告書と財産引継書の提出が必要です。

  21. 資本金の額の計上に関する設立時代表取締役の証明書
     現物出資がある場合には、15. の2つの書類に加えて本証明書の提出が必要です。

  22. その他、必要に応じ提出する書類
     会社の設立の形態に応じて、その他の必要となる書類を用意します。特に、現物出資の場合は、必要となる書類が幾つか増えますので、留意が必要です。

    検査役の調査報告書及びその附属書類
    有価証券の市場価格を証する書面
    弁護士等の証明書及びその附属書類
    資本金の額の計上に関する証明書
    設立時会計参与,会計監査人の就任承諾書及び資格証明書
    特別取締役の選定を証する書面及び就任承諾書
    代理人の権限を証する書面(委任状)  など


 「登記申請時に窓口で提示されていた指定日」に法務局へ再度訪問し、補正の有無を確認します(電話でも確認できます)。補正の必要がなければ登記完了です。

 ちなみに、会社の設立年月日は「法務局が登記書類を受け付けた日」になります。ただし、これは書類を受理してくれて、無事に登記完了した場合であり、申請却下された場合は登記完了日(=会社設立日)とはなりませんので、ご注意ください。

 なお、会社設立後に金融機関で口座を開設したり、税務署などへ設立の届出をする場合などに「登記簿謄本」と「印鑑証明」が必要となりますので、貰いに行きましょう。登記簿謄本は1通1,000円、印鑑証明書は1通500円です。



 会社を無事に設立できたら、①税務署、②市役所(市町村役場)、③県税事務所(都道府県税事務所)、④年金事務所(旧:社会保険事務所)、⑤労働基準監督署、⑥公共職業安定所へ各種書類を提出する必要があります。これらの提出が終わって初めて、会社の事業運営に専念できますので、もうひとふんばり頑張りましょう。